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相続物件の売却が増加中。その背景と見落としがちなところ
近年、相続による不動産の売却相談が増えています。
これは単なる一時的な傾向ではなく、今後もしばらくは増加傾向が続くと予想されます。
中でも目立つのが、40年〜50年前に開発された住宅地のご相談です。
当時は抽選になるほど人気があり、「急がなければ買えない」「大きな家を建てたい」「ここは見晴らしもいい」など、さまざまな理由で多くの方がこぞって土地を購入されました。
価格もおおむね横並びで、角地か否か、面積が多少違う、団地の上か下かといった程度で、どの家もだいたい似たような価格帯で取引されていました。
しかし――いざ売却となると話は別です。
■ 昔は資産、今は負債になることも
当時は「広い敷地・大きな家・立派な庭」が理想とされていました。
けれども今では、そういった住宅は**「昭和の産物」**として扱われがちです。
現在の買い手が求めているのは、「立派な家」ではなく**「暮らしやすい家」**です。
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「そんなに広くなくていい」
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「便利な場所で、無理のない暮らしがしたい」
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「断熱性が高く、光熱費が抑えられるほうがいい」
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「家にばかりお金をかけるより、趣味や教育にお金を使いたい」
という考え方が増えています。
場合によっては一生賃貸でも構わないという人も珍しくありません。
つまり、住宅に対する価値観が大きく変わってきているのです。
そのため、「売れる家」と「売れない家」の差がますます広がっているのが現実です。
■ 思わぬポイントで価格が大きく変わる
現代の住宅購入者は、見た目や間取りだけでなく、安全性や法的リスクにも非常に敏感です。
たとえば、以下のような条件で購入を見送ることがあります:
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土地が土砂災害警戒区域や特別警戒区域に指定されている
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平地であっても浸水想定区域や津波の可能性
また、土地の高低差・擁壁・接道条件によって、
昔は問題なく建てられていた場所でも、今では建築に制限がかかるケースも少なくありません。
実際にあった事例では、
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裏の敷地の擁壁が張り出しており、こちらに建築制限がかかっていて理想の家が建てられない
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擁壁の全面撤去が必要で、その費用が数百万円にのぼる
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境界上のブロック塀が高すぎて役所から指摘を受けたが、隣地との共有物のためお隣が撤去に同意せず対応できない
など、思わぬ障害が売却の大きなネックになっている例も多くあります。
■ 車の進化が家に与える影響
意外と見落とされがちなのが、堀込車庫の問題です。
これは敷地を掘って車庫をつくり、その上に建物を建てる構造で、昭和の住宅に多く見られます。
しかし現代では、車が大型化し、2台以上の駐車スペースが求められる時代です。
昔ながらの堀込車庫は高さや幅が足りず、使い勝手が悪い・停められないといった理由から敬遠されがちです。
かといって撤去や造成には大がかりな工事が必要で、
同じ分譲地の他の物件と同じ価格では売れないということになります。
■ 「当時同じ価格で買った家」が、今ではバラバラの評価に
こうした個別条件の違いによって、かつて同じような価格で買った分譲住宅でも、
現在では「売れる価格」に大きな差がつく時代になっています。
その背景には、
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建築基準法の改正
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ライフスタイルの変化
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災害リスクへの認識の変化
などがあり、売主様にご理解いただくのが難しい場面も少なくありません。
売主様としては「同じ団地の家なのに、なぜこんなに差があるのか?」と戸惑われることもありますが、これは市場のリアルな反応であり、私たち不動産業者としても日々頭を悩ませているところです。
■ 最後に
相続された不動産の売却では、「当時どうだったか」ではなく、「今どう評価されるか」が重要です。
「うちの家、ちゃんと売れるだろうか?」
そう感じたときは、どうぞお気軽に地元の専門家にご相談ください。
現代のニーズや法規制を踏まえた、今に合った出口戦略をご提案いたします。

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三代 年之
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